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何故ぎっくり腰になるのか?

2022/01/18
整骨院コラム

ぎっくり腰は何げない動作でも起こる

 知っておきたい「ぎっくり腰」の対策と予防

 ぎっくり腰の痛みは、経験者でないとわからないほどつらいものです。殆どの人は痛みに顔をしかめ、その場で横になったまま動けないほど。何の前ぶれもなく突然起こるので、ヨーロッパではぎっくり腰(※)を「魔女の一撃」と言います。

 一般にぎっくり腰は、重いものを持ち上げた時に起こりやすいといわれます。ところが実際には、咳やくしゃみをした時、ベッドや布団から身体を起こそうとした時、顔を洗う時、椅子に腰かけて横や後ろのものを取ろうとした時、ゴルフや野球の素振りを軽くした時など、さまざまなケースがあります。日常の何げない動作をした時だれにでも起こりうるものなのです。

 ぎっくり腰は従来、急性の一時的な腰痛と思われていました。ところが適切な手当てをせず長引かせてしまうと、慢性の腰痛に進むケースが少なくありません。とくに中高年の場合には、しっかりケアをしないと再発しやすい傾向もみられます。

それだけに、ぎっくり腰を起こした時の対策や再発を含めた予防について、きちんと知っておくことが大切です。

 (※)ぎっくり腰というのは通称で、病院では突然痛みが起こる「急性腰痛症」のひとつと診断されます。

  

ぎっくり腰はなぜ痛い

 ぎっくり腰は、なぜ痛いのか。その理由のひとつは、腰を支える靭帯や筋肉に急に負担がかかり、断裂を起こし、それが神経を刺激するためです。 

しかし、痛みの原因はそれだけでなく、腰の中央に連なる椎骨の関節とその周りの膜(関節包)、さらに椎間板(軟骨)などが傷つき、神経を圧迫することからも起こります。

 

人によって、また原因によっても異なりますが、こうした痛みが重なることで、強い痛みになります。

 

中高年の場合には、加齢や運動不足のために腰を支える筋肉が弱くなり、腹筋と背筋のバランスが乱れていることがあります。また、椎骨の関節や椎間板が変形し、いわゆる椎間板ヘルニアなどを起こしている場合もあります(※)。こうしたケースでは、ぎっくり腰を起こすと症状もひどくなりがちなので、とくに注意する必要があります。

 

(※)椎間板ヘルニアは、椎骨と椎骨の間にある軟骨の一部が後方に飛び出し、神経を圧迫することで生じる腰痛です。そのほか老化に伴う腰痛では、椎骨の変形により脊柱管という神経が狭くなる脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)、椎骨の一部に変形や疲労骨折が起こる変性すべり症や分離症などがあります。

 

 

 

もし、ぎっくり腰になったら

 

ぎっくり腰を起こすと、当初は動くことも立ち上がることもできないのが普通です。その場合には横向きに寝て、腰を丸めた姿勢をとると、少し楽になります。 病院でブロック注射をしてもらい、痛みをやわらげる方法もありますが、無理にからだを動かすとかえって症状を悪化させかねません。激しい痛みがある23日間は自宅で安静に過ごして下さい。

 

自宅で安静にしている間は、マッサージなどをしてはいけません(※)。湿布薬などで、痛みをやわらげる程度にしましょう。冷湿布か温湿布か迷うところですが、靭帯や筋肉の断裂により出血や炎症を起こしているケースでは、一般的には消炎作用のある冷湿布のほうが適しています。お風呂などで温めるのは逆効果になりがちなので、最初のうちはあまり温めないようにします。

 

痛みが少し落ち着いたら、冷湿布でも温湿布でも、本人が心地よいと感じるほうにします。

 

(※)治療院によっては、患部を氷で冷やしながらマッサージを行う治療法を導入しているところもあります。ただし、これは専門家が行う治療で、冷やし方などにコツがあります。患者さん本人や家族などが自己流で患部をマッサージするのは悪化の一因となります。

 

 

 

痛みが落ち着いたら早めに動く

 

23日して痛みが落ち着いてきたら、少しずつ動くようにしましょう。従来は、痛みが治まるまでは寝ているほうがいいとされていましたが、最近では早めに動き始めたほうが回復も早いことがわかってきました。

 

ただし、無理は禁物です。痛みの程度をみながら、自宅の中などを少しずつ歩くようにしましょう。

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